図3-3-1は,NPNの接合のエネルギー構造を示しています.
N型半導体とP型半導体はドープ物質(不純物)によって電子の分布が異なり,それによってフェルミ準位が両半導体間で異なっています.フェルミ準位は物質中の電子の存在確率50%の電位を示しますので,これらの半導体を接合するとPNそれぞれの半導体のフェルミ準位の電位差は一致します.
このときN型伝導帯の電子はP型伝導帯と比較してエネルギー準位が高く,また,P型の価電子帯のホールはN型価電子帯と比較して低いためN型の電子およびP型のホールはそれぞれエネルギー準位の低い接合対象となる半導体へ拡散(移動)します. |