そのため,N型の自由電子はP型へ移動するためには非常に高い障壁を越える必要がありほとんど移動しません.これと同様にP型のホールもN型へ移動するためには高い障壁を越える必要がありほとんど移動しません.ただし,N型に極少量含まれるホール,P型に少量含む自由電子(少数キャリア)は,障壁を下る状態となり容易に移動が可能です.
そのため,逆バイアスを与えたときのダイオードは,少数キャリアによって小さな電流を流すものの,少数キャリアの絶対量が少ないため順方向バイアスに比べほとんど電流を流さない特徴があります.
このようにダイオードは与えるバイアスの方向・電圧によって障壁の電位を自在に変化させます.さらにその現象によってダイオードに流れる電流が順方向と逆方向で大きさが変化する特徴があります.このように与えるバイアスの極性によって電流の流れ易さを変化させる機能を整流といいます.
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