ダイオードという部品の捉え方について,ここではちょっと視点を変えて考えてみたいと思います.仮に,ダイオードのバリエーションが,ちょうど抵抗やコンデンサといったリニア部品のように,ドープ量がリニア設定されるデバイスとして捉えてみたら...
たとえば,ダイオードを使って低周波交流を整流する系があったとして,この系に,僅かにリカバリーノイズが気になるといった課題があったとしましょう.このダイオードには,低周波整流用途の低VF一般品が選定されているものとします.ここでは,どのように対策することができるのでしょうか?
この例では,漠然としているので,様々な対策方法が考えられます.たとえば,用途でダイオード選定するのであればファストリカバ品の選定も可能です.ただし,高VF化など別の課題も生じる可能性もありますが,問題なければもちろんOKでしょう.
他のパラメータに大きく影響を与えない範囲で対策するとしたら,表3-2-4に示すように,リカバリー時間のFast化,つまりドープ量減の方向性を検討する価値があります.具体的には元々選定されていたダイオードのメーカの提供するシリーズ内において,耐圧の高い部品をテストしてみるという方法も有効である場合があります.
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