順バイアスで定常に通電している状態(図3-2-23)では,負極からN型半導体に電子が次々に供給され,正極からはP型半導体にホールが次々に供給される状態になります.さらに,それらのキャリアは外部からのバイアスによる電界によって電子,ホールが移動しPNそれぞれの半導体にキャリアが満たされている状態になっています.
この状態から瞬時にバイアス方向が変化した場合(図3-2-24),逆バイアスが与えられると各キャリアは,順バイアス時に移動していた方向とは反対に移動を開始します.ここでは,通常のダイオードの整流作用とは反して逆方向の電流が流れることになります.
しかし,負極あるいは正極からはキャリアの供給はありません.逆にホールが負極,電子が正極に引き寄せられていきます,ある一定時間が経過すると図3-2-25のように,接合部近くはキャリア濃度の低い空乏層を形成しダイオードは通電しない状態になります.
その様子を,Vi,Vo,Id
についての関係を示したグラフが図3-2-26です.
|