図2-1-6のＲＬＣ回路についてSWを通電させた際の過渡電流 i をラプラス変換を使って求めてみましょう．コイルL，抵抗R，コンデンサCそれぞれにかかる電圧をvL，vR，vCとすると式2-1-23の関係があります．
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式2-1-23 |
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上式からvL，vC，vR を消すと
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式2-1-24 |
ラプラス変換すると
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式2-1-25 |
q(0) はt=0 におけるコンデンサC の充電電荷でq(0)=0 ，またi(0) はt=0 におけるコイルL の電流でi(0)=0 とすると，I(s)は式2-1-26のようになります．
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式2-1-26 |
ここからラプラス逆変換をして時間領域の関数に戻します．
この式のままではラプラス変換表（表2-1-3，表2-1-4） にぴったり適合するものはありません．この式に変更を加えて表に適合する形をつくる必要があります．そこで，I(s) の分母を因数分解し，部分分数をつくることによって表2-1-3 の4（下表参照）に適合する形をつくっていきます．
| No |
f(t) |
F(s) |
| 4 |
eat |
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表2-1-3抜粋
まず式2-1-26 の分母を因数分解して(s-α)(s-β)の形をつくり，部分分数に分解していきます．
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式2-1-27
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ここで，各パラメータ（Ａ，Ｂ，α，β）を計算していきます．
この式中のα，β は2 次方程式の解として与えられるので，仮にs に関する２次方程式をs2+bs+c=0 としたとき，α およびβ は式2-1-28の関係があります．
| α，β＝ |
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式2-1-28 |
つづいて式2-1-27 のA，B について求めます．A，B は式2-1-27を分母を共有化して式2-1-26のもとの形に戻したとき，それぞれの項（s2+bs+cのb，c）に対応して等式をつくることによって求めることができます．
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式2-1-29 |
式2-1-29の分子と式2-1-26の分子を対応させて，s(A+B)＋(-Aβ-Bα)＝0s＋1とすると
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式2-1-30 |
これを解くとA，Bは
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式2-1-31 |
となります．ちなみに部分分数におけるA，B を留数(1) といいます． つづいてαおよびβは，式2-1-28より
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式2-1-32 |
つづいて式2-1-27にA，B（式2-1-31）を代入するとI(s)は，
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式2-1-33 |
この形になれば，表2-1-3 の4に適合するのでラプラス逆変換ができます．ラプラス逆変換すると
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式2-1-34 |
α，βを代入すると
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式2-1-35 |
過渡電流 i を求めることができました．
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【質問】2008/11/02
交流回路に対しても,ラプラス変換で解析できるのでしょうか. つまり,ラプラス変換によって,電流を時間依存の函数として記述できるのでしょうか.お願いします.
【回答】2008/11/10
回答をこちらに掲載しました．→交流回路へのラプラス変換の応用
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