ところで,通常LCの系にパルス状またはステップ状の電圧を与えるとオーバーシュートをともなって振動することはご存知の通りと思います.通常こういった振動を抑制するためにフィードバックによって極消去を行うのが一般的ですが,この回路ではフィードバックさせずに,オーバーシュートなく充電するように設計します.その方法はいくつかありますが,ここではもっとも単純と思われる次の2種類の方法を紹介します.
[方法1]インダクタ電流ILGの不連続領域のみを使用する.
具体的には図a-3のようにインダクタ電流ILGを連続的に通電しないようにSW1あるいはSW2のデューティを設定して1回のスイッチングの度にインダクタ電流ILGが不連続になるよう設定します.しかし,負荷側(ゲート)電位が低い条件の場合には電流の減少スピードが遅いためonデューティを小さく設定する必要があります.そのため,ゲート充電にかかる時間が大きくなる傾向があります.ただし,ゲート容量への充電によってゲート電位の上昇が早い場合,SW1,SW2のonデューティを大きく設定することも可能です.
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