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オームの法則

図1-2-2 は抵抗R[Ω] に電圧V [V] の直流電源を接続した回路図です.図中のはは抵抗の回路図記号です.この回路の電圧V および電流I には式1-2-9の関係があります.
 V = RI 式1-2-9 電圧:V[V]
抵抗:R[Ω]
電流:I[A]
抵抗値R が常に一定であれば,抵抗に与えられる電圧と抵抗を流れる電流は比例します.このときの比例定数が抵抗Rです.この関係をオームの法則(1) といいます.

(1)オームの法則解説

オームの法則について,図1-2-3 のような導体モデルを用いて導きます.この導体モデルは抵抗率が均一であるものとします.

この導体に電圧を与えた時プラス,マイナスの平行電極により導体内に均一な電界がつくられると仮定します.均一な電界中では電位は電界方向の距離に比例します.そのため導体中の電界の大きさは式1-2-10 の関係になります.
 
その電界によって生じる電流密度は(式1-2-1 参照)
 J = ρE
です.電界の大きさをこの式と電流,抵抗率を使って示します.I=J ·S およびの関係より式1-2-11 のようになります.
 
さらに式1-2-10 を代入して
  式1-2-12

電圧:V[V]
抵抗率:ρ[Ωm]
導体長:l[m]
断面積:S[m2]
電流:I[A]
となります.は定数であるため,この式より電圧,電流は比例関係になることがわかります.この比例定数は,先の抵抗率のセクションで求めた導体の抵抗を示します.参考までに導体の抵抗は次の式(式1-2-5)で与えられました.
 
この式を式1-2-12 に代入すると次に示すオームの法則の関係式を求めることができます.
 V = RI
 


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(1) オームの法則:
オームの法則は理想抵抗による電圧と電流の関係を示した物理法則です.電圧を与えることによって発生した電界がキャリアの移動速度と比例関係になることが理想抵抗の特徴です.しかし,実際の物質はキャリアの数量が有限であり,キャリアの移動速度が強電界において比例しないことにより定抵抗となりません.

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